動物の痕跡を追う【狩猟】
動物の痕跡の見方
アウトドアをするにあたって、野生動物の痕跡を知ることは、自分の身の危険や食料調達の情報を知ることと繋がり、とても重要です
これを「見切り」と言います
それでは、その痕跡をいくつかに分けて紹介します
足跡から動物の種類を判別
最も情報量の多い痕跡は足跡かもしれません
動物の種類、サイズ、進行方向、重さや、時間経過など色々わかります
哺乳類の歩行方法は3種類に分かれます
蹄行性(ていこうせい)は蹄(ひづめ)を持つ動物で、北海道にはイノシシ・カモシカはいないので、エゾシカ・イノブタ(家畜用豚が野生化したもの)など
指行性(しこうせい)はキツネ・タヌキ・猫・犬などの肉球のある動物、鳥類全般
指の跡が4本残ります
しょ行性(しょこうせい・「しょ」の字は足偏に庶・あしうら、あしのうらと読む)はアナグマ、ハクビシン、ニホンザル、ツキノワグマ、ヒグマ、ヒトなど、木に登ったり物を掴んだりできることに特化した動物で、手のひらを付けた歩き方で、5本指と手首の跡が残ります
糞から動物の種類を判別
動物の糞は、動物の種類、食べ物や時間経過などがわかる痕跡です
北海道での俵型の糞の主はエゾシカです
新鮮なものは緑色で、時間経過とともに光沢がなくなり、黒く変色していきます
歩きながら糞をすることが多いので、足跡に沿って1~2㎝の糞をバラバラとたくさん落とします
球型の糞の主はノウサギです
完全草食なので、消化できなかった植物の繊維が固まっています
ウサギは硬糞と柔糞の2種類の糞をする動物ですが、まだ消化しきれていない栄養が含まれた柔糞は、再度ウサギが食べる(食糞)ので、結果的に硬糞しか残りません
塊型はヒグマなど草食寄りの雑食性動物に多い糞の形状です
季節によってエゾシカの糞もバラけずに、塊型になるときもあります
棒型は肉食寄りの雑食性動物に多い形状で、
犬、キツネ、猫、タヌキ、イタチ、ワンパクが例に挙げられます
トレイルカメラで確認
上記以外で、食痕や足の運び方、ヌタ場などの生活痕などで判別することもでき、これらはそれほど難しいことではないのですが、トレイルカメラを使って確認することもできます
トレイルカメラは、赤外線で動物などの動きを感知して、画像や動画を記録できるカメラです
これがあれば、獣道に設置して、予想通りの動物が通っているか答え合わせができますね
ニホンカワウソ!?
以前の記事に「さて、この足跡は何の動物のものでしょう?」と振っておきながら、「解答がないじゃないか」と【おしゃれキャンパー】の“ハニ天さん”からツッコミがありました
正解はミンクでした~!
えっと、きっとミンクですぅ…
現時点では、まだミンクとしておきますぅ
5本の指と爪の跡がありますよね
しかし、半分しか足の裏をつけていないことから、半しょ行性(半指行性)といいます
イタチの仲間などがこれにあたります
実はこれには少しお話しがありまして…
実はこの足跡の動物を直に見ているのですが、どう見てもカワウソなのです!
最初は「野生化したミンクかなぁ」とぼーっと釣りをしながら見ていたら、顔立ちや大きさに気付いて、「えっ?!」となりました
たしかによく見間違えられる動物なのも承知です!
でもでも!イタチでもオコジョでもテンでもイイズナでもフェレットでもありません!たぶん!
ワンパクはあまりにも驚きすぎて川に落ち、釣り針が指に刺さったまま、撮影をするためにスマホを取り出すも、魚のヌルヌルが手についていたせいで泥に落とす始末
なので、画像なし…
そんなワンパクをよそに悠然と川を泳ぎ、ワンパクの横に着岸し、身を振るわせ、ゆったりと草むらへ入って行きました
カワウソって、もしかしたらあの可愛らしいコツメカワウソのイメージを持っている方が多いかもしれませんが、絶滅したとされる「ニホンカワウソ」はもっともっとデカイ!
そもそも「ニホンカワウソ」という動物の定義自体も色々な説があると思いますが、今回見たあの動物は、環境省が2012年に「絶滅宣言」した【ニホンカワウソ(北海道亜種)】ではないかとほんの少しだけ期待しちゃっています
この場所は、原生の森が残る場所なので、可能性はゼロではないのかなと…
それで、トレイルカメラをAmazonで購入して「確かめよう!」となった次第であります!
結果は、追って報告します!