野食のススメ【野食】
サバイバル優先順位
日本国内でサバイバルやブッシュクラフトをする際に、『水の確保』の優先順位は1番ではないんです
それは、日本は河川・湖沼・湧き水など淡水が豊かにあり、さらには国土を囲む海があるので蒸留や濾過などで飲み水に変えることができるということも要因の一つとのこと
確かに実際、ワンパクは山籠もりで水に困ったことは一度もありません
サバイバルの優先順位は、
1 【体温の確保】
2 【水の確保】
3 【火の確保】
4 【食の確保】
この順位は、デッドラインまでの時間と一致します
水を飲まなくても人間は3日間は生きられますが、体温が低下すると夏でも数時間で人間は命を落としますので、『体温の確保』が1番優先されます
しかし!優先順位が下だからと言って、ここで紹介する『食の確保』をワンパクはおろそかにしません!
ワンパクの経験上『食』は精神や思考を正常に保つために、また、気持ちを豊かにするために重要であることに違いはありません
腹を満たして、楽しく安全にアウトドアしましょう!
野食の鉄則
野食に際して、毒の有無に関わらず【加熱処理】が必須となります
寄生虫予防や殺菌・分解に効果が期待されます
動植物に限らず、水も煮沸してから飲用するようにしましょう
北海道は特にエキノコックスなどの危険があるので、生食は野食上級者以外は絶対にやめましょうね
【種の同定ができないものは食べない】ことも必須となります
野食はある程度の知識が必要となります
特にキノコ類は生死に関わります
種の同定ができなくても、パッチテストをして可食の判断をする場合もありますが、それは、他に食べるものがないときなどに限ってください
決して『変な形のキノコ食べちゃいます!ウェーイ!!』ってやんないように!
水辺の生き物採集(食料調達)
水辺は『水の確保』と『食の確保』ができる最高のフィールドです
こんなところや、
こんなところを
網でガサガサすると、
【スジエビ(在来種)】ですね
名前のとおり体の模様から判別できます
ヌマエビよりもかなり大型の種で、テナガエビと比べると、手の長さが鼻先よりも短いので、スジエビと判断できます
かなり好戦的なエビで、寿命も短く、繁殖も難しいので飼育向きではありません
【モクズガニ(在来種)】
『もずく』と勘違いしている人も多いですが、『藻屑(もくず)』です
爪の甲にフサフサの毛が生えているのがわかりますか?
これがモクズガニの特徴で、名前の由来でもあります
高級食材の【上海ガニ】と近縁種なので旨いですよ
水辺の生き物を採集するときには、胴付きがあるととても便利
足裏がフェルトになっているものは、川底のぬめりにも滑りづらいですよ
釣り人必須アイテム!
スジエビを食す
スジエビはかき揚げにするととても美味しいのですが、実際にフィールドで食べる場合は、油やタネを持ち歩いているわけではないので『焼く』『茹でる』『蒸す』が主な調理法になります
スジエビは殻が薄いので殻ごと食べましょう
多めの塩を入れて茹でていきます
【ホッカイシマエビ】のようなキレイなオレンジ色に茹であがりましたね
美味しく食べるためには、数日泥抜きしたり背わたを取ったりするのですが、フィールドではそんなことしません!
そのままお口にダイブさせます!
ん~旨い!!
量が足りませんが、いまがちょうど産卵期になるので、これ以上のスジエビの採集は自粛します
モクズガニを食す
このくらいの大きさなら、油で素揚げして塩を振って酒のつまみがいいんですけど、酒も油もないので、スジエビ同様に茹でて食べることにします
体をよく洗います
自分の身の危険を感じると、足を自切します
赤く茹で上がった個体はほとんど足を自切した
少し黒い個体は、脱皮直後なので殻が柔らかくソフトシェルクラブのようで美味でした
かに味噌たっぷりです
独特の苦みとコクがあります
これくらいの大きさの個体なら蒸して食べることもできますね
その辺にあるものを食す
【エゾニワトコ(在来種)】
可食部位は、実と新芽になります
新芽は春先が採集時期で、とても美味しい山菜なのですが、アクがとても強いので、沢山食べたり、アク抜きが足りないとひどい下痢になります
実は果実酒(薬膳酒)としても可食できますが同じく、飲み過ぎるとひどい下痢になりますよ
それもそのはず、このエゾニワトコはヨーロッパ圏では下剤として使われている植物です
毒はもちろんありませんが、『この赤い実食べちゃいます!ウェーイ!』ってやってたら地獄を見ていたでしょう
野食には多少の知識が必要だということをわかっていただけると思います