ヒメオオクワガタ【昆虫採集】
2019年夏 昆虫採集2000㎞行
台風の影響で数日間札幌市で足止めをくらい、日程が少なくなったものの、二泊三日で昆虫採集旅行を敢行することができた
狙いは道南の渡島・桧山・後志・胆振地方を中心に生息するヒメオオクワガタ
一昨年・昨年と台風の影響で採集に失敗している
今年も台風の影響を感じずにはいられないが、新しい採集場所に期待している
本来であれば、盛夏を避けて発生と活動がピークを迎える9月などに採集するのがベストだが、一昨年は9月、昨年は7月に採集に来て台風を喰らっていたので、それを避けるため今年は8月にしたが、やはり台風をくらってしまった
まじ運気悪ぃわぁ!
ヒメオオ運ねぇわぁ!
台風が母なる地球の営みとはいえ、3年連続は酷すぎる!!
漫画『ドラゴンボール』に出てくる【芭蕉扇】があればいいのに!と本気で思うワンパク
『ヒメオオの神様』というものがもしいるならば、キャメルクラッチからのハリケーンミキサーで仕留めてやる!!
いやぁ、まじでムカつく!!
『でけぇヒメオオクワガタ捕るまで帰らんぞ!!』の全走行距離2,255㎞の昆虫採集の幕開けです!
旅は南へ
今回は台風により足止めを喰らい、妻の実家がある札幌市に二日間滞在した
台風は温帯低気圧に変わったものの、風は依然として強く、河川や山道には近づかないのが無難であるが、それを承知で昆虫採集を強行した
札幌市からは積丹半島方面に進み、そのまま日本海海岸沿いを南に向かう予定である
神恵内村の道の駅【オスコイ!かもえない】
『オスコイ!』の意味は不明
木のアート作品が道の駅を飾るが、なんかすごく怖い
【ウニのパスタ】と【魚介冷製ラーメン】
正直、観光客向けのメニューだなって感じ
味は道の駅で出す標準レベルで値段は高め
北海道各地に今も【義経伝説】が残ります
奥州藤原氏滅亡の際、実は源義経は死亡しておらず、義経が青森県の竜飛岬から蝦夷地に渡ったとされるロマン溢れる伝説
平取町・本別町などにも義経伝説が残り、いまは観光資源となっているところも多いですね
ここは義経に付き従って海を渡った【弁慶】の伝説が残る場所なのでしょう
日本海は夕日がキレイなのですが、この日は台風なので当然夕日など見れず、風が強いので景色を楽しむ余裕はありません
なんとなく今日はこの辺で泊まろうと思っていたせたな町の【真駒内ダム公園野営場】
このキャンプ場はとてもキレイに手入れされていて、昆虫採集や釣りにももってこいのキャンプ場ですが、この日は台風の影響で二組のキャンパーしかおらず心細いうえ、ヒグマが高確率で出没するため、妻からNGがでてしまいました
う~ん
ワンパク一人なら、キャンプ場の端にでもシェルターを作ってさっさと寝てしまうのですが、家族持ちになるとなかなかそうもいきませんねぇ
いまその命が尽きようとしている【アブラゼミ】
灯火に集まる虫を食べるためなのか、大量の【ニホンアマガエル】
結局この日は今金町をブラブラ灯火採集しながらさらに南下
道の駅【てっくいランド大成】で仮眠
八雲町(旧熊石町)~乙部町
朝になり、すっかり天気が良く気温もグングン上がって30℃を超えた
ただまだまだ風は強い
車中で仮眠して体がキツいので、少し体をほぐすため虫取りをしてみる
【エゾマイマイカブリ】甲虫目
長い首をカタツムリの貝に突っ込み食す
『マイマイカブリ』とはそのものズバリのネーミングですね
もちろんオサムシの仲間ですので、お尻から臭い汁を出します
この画像のプリンカップの内側にその汁が付いています
妻にその臭いを嗅がせたら、プリンカップを投げつけられました
ちなみに道南は【オシマルリオサムシ】というマイマイカブリと同じ仲間の金属光沢が美しいジュエリービートルがいるのですが、今回の遠征で会えるでしょうか
【ミンミンゼミ】半翅目
北海道には道南にしかいない種
昔からワンパクは、女性並みの大きさでぽちゃぽちゃした手がコンプレックス
日本でもっとも広く分布するセミではないでしょうか
【オニヤンマ】蜻蛉目
胸の正面が『ハ』の字に黄線がなっていて、複眼が上部でくっついているのが特徴
【ベニシジミ(夏型)】鱗翅目
昆虫マニアの中でも鱗翅目(チョウとガ)は人気の種類です
そのなかでもシジミチョウは特に人気があります
チョウの仲間は、アゲハ・タテハ・チョウ・セセリ・シジミなどに分けられます
【セセリの一種】
写真を撮った記憶が全然なく、画像から種の同定ができませんでした
厚沢部町~梅漬峠
もうここは開通させるつもりはないのかもしれない
ここが開通すれば茂辺地に抜けることが出来てとても便利なのだが…
【東大沼キャンプ場】
言わずと知れた大人気キャンプ場(無料)
ライダー、ファミリー、カヌーイストなど色々なキャンパー層から支持されている
ワンパクが幼稚園児のころからここは何も変わっていない
オールドキャンプファンからも圧倒的な支持を得ていることでしょう
あら!【オニクワガタ】発見!
ヒメオオクワガタ採集場所新規開拓
ヒメオオクワガタは画像のような林道を行き、樹上の個体を捕獲する
当然ヒグマの生息地に飛び込んでいくこととなるので、クワガタ採集で一番危険が伴う
また、捕虫網は10㍍を超えるカーボン製のものを使用する場合もあるので、落雷を避けるため天候には気を遣う
ちなみにワンパクは5.5㍍のものを標準装備している
採集時期などにもよるが、ヤナギ類やハンノキ、イタドリ、ヤマブドウなどの木を一本一本丹念に食痕がないかを見ながら歩く
いつの間にか随分と山の上まで来ていたようです
枝の隅々まで見ていると、あっという間に日が落ちますね
林道あるあるですが、林道を行くと廃線となった林道に差し掛かることがあります
その廃林道には山菜が豊富に自生していることが多いですが、クワガタはいないことが多いです
この日はヒメオオクワガタに出逢うことが出来なかったけど、新たな林道や候補地を見つけることが出来たのでオッケー!
とりあえず今晩の野営地に向かうこととした
【ミヤマクワガタ♂小歯型】
腹が減ったので、グルメスポットへ
【ハセガワストア】
通称『ハセスト』
ハセストの名物はやはり『やきとり弁当』
函館市民は『やきとり弁当』(函館ワイン使用)を函館の専売特許だと思っている人が多いと思いますが、実は…
【タイエー】(根室市)
外観が同じなだけでなく、『やきとり弁当』(十勝ワイン使用)もあります
決してパクリではなく、暖簾分けのようなものだったが、ハセストがセイコーマート傘下に入るに従って、タイエーも同じくセイコーマート傘下になった
詳細はわからないが、いまでは『やきとり弁当』は根室市民のソウルフードとなっている
続・ヒメオオクワガタ採集
【湯の沢水辺公園】
とても手入れの行き届いたキャンプ場
昆虫採集や釣りを目的とするキャンパーも多い
地理的にも函館市街地からほど近いが、がっつり山の中であることに加え、ペット同伴可能なので重宝する
繁忙期は人気のキャンプ場だが、少しでも時期が外れると利用者が少ないうえに、ヒグマ出没の怖さに怯えることになるが、ここ数年はワンパクのお気に入り
このキャンプ場の先にまだ道は梅漬峠経由厚沢部町『館(たて)』方面に続くが、現在は通行止めとなっており、ヒグマの生息集中地帯となっています
ワンパクのタフなアウトドアに耐えてきた鍋セット
【ドンキホーテ】で防災グッズとして980円で販売していたものを購入
ベコベコにへこんだりしていて、もう10年以上使用している
採集した昆虫はとりあえずプリンカップに保管している
早くヒメオオに逢いたい!
木古内町↔江差町を結ぶ鉄道が数年前に廃線となったあと、その線路を利用して観光資源にしているようです
いつもルッキングしている道路が、工事されて新しくキレイになったり、トンネルができたりと整備されていて、しばらくはクワガタ採集できないですね
朝からルッキング採集していたので、疲れました
汗を流そうと思います
【湯ノ岱温泉】
古い施設ですが、とてもいいお湯なんですよ
え?
この繁忙期に定休日なんてあるんスか?
やっぱツイてねぇわぁ!!
仕方ないので、採集に戻ります
あら、新しいヒグマの糞さんこんにちわ!
こちらからもヒグマの糞さんこんにちわ!
こんな看板があって当たり前ですね
ちなみに北海道では常識ですが、『熊出没注意!』とか『ヒグマ注意』という看板が立っているところは、ヒグマがその場所で目撃された地点ですので、ただの注意喚起や脅しではないので注意しましょう
しかしヒメオオクワガタはこんな看板などない、ヒグマがいて当たり前の場所にいます
『熊が怖い』『危険だよ』と言う人はヒメオオクワガタの採集は諦めましょう!
ヒメオオクワガタは、ヒグマをぶん殴ってでも捕りたい人だけに与えられる栄誉です
ヒメオオクワガタが『天空のクワガタ』と呼ばれているのは、生息する標高でもなく、地面ではなく遙か高い樹上にいるからでもなく、半端な人間には手の届かない存在のクワガタであるからです!
車のナビにもう道などありません
こんなところを徒歩で採集します
ここはまだ車が入れる林道があるだけマシですよ
こんなところに来ると、もうワンパクのテンションはMAXになっています!
ギンギン!!
ワンパクの中の野生と狩猟本能が一気に外に溢れ出し、五感が研ぎ澄まされます!
こうなるとワンパクは止まらないことは、妻は承知しています
採集へ向かいます
1時間後…
アブしかいませんでしたぁ
ワンパクの中の野生と狩猟本能が一気に外に溢れ出し、五感が研ぎ澄まされた結果、アブしか見つけられませんでしたぁ
危険を顧みず、勇んでヒグマの住む森へ入った結果、これですぅ
『でけぇヒメオオクワガタ捕るまで帰らんぞ!!』の気合いがもうありませぇ~ん
もうふて腐れるしかなく観光に徹する
運気を変える必要があるようです
実はこの愛宕(あたご)神社には伝説があります
【逆さ水松】
『水松』とはオンコ(イチイ)のことです
戦国期に北海道にも【蠣崎(武田)】氏という和人領主がいました
その家臣で【南条広継(なんじょうひろつぐ)】という武将が、クーデターの疑いをかけられ、お殿様に切腹を命じられます
身の潔白を主張しましたが、聞き入れられませんでした
『自分の亡骸の上に水松を逆さまに植えて、それでもなお、その水松が育つのなら、それは自分の身の潔白の証である』と残し自害
現在もその水松は勇壮に鳥居の横にある
この伝説をワンパクが知り、訪れたのはいまから17、18年ほど前
【清和源氏・甲斐武田氏(武田信玄など)】の庶流・傍流を調べていたときに【若狭武田氏】→【安東(秋田)氏】→【蠣崎(武田)氏】で知りました
当時この伝説の地である上ノ国町を訪問した際、学芸員さんを含み誰もこの伝説を知らず、たまたまその場にいたご老人が愛宕神社の場所を教えてくれて、ワンパクはその場所を知ることができました
そのときはなんの変哲も無い神社でしたが、それから数年後にこのような立派な看板が建てられていました
上ノ国町、江差町は北海道で最も古くから和人が住み始めた場所なので、歴史ロマンを求めて観光します
【かもめ島】
江差のにしん漁を支えた天然の良港を形作る島で、江差町のシンボル
現在、島の上にはキャンプ場があるが、荷物の搬入が非常に大変で、しかも風が強いので初心者向きではありません
ワンパクは昔、このキャンプ場に来て泊まろうとしたのですが、あまりにも風が強くて、島の上にある食堂で『にしん蕎麦』を食べただけで撤退した記憶があります
【開陽丸】
幕末に幕府海軍がオランダから購入した当時最新鋭の軍艦
【榎本武揚】が【土方歳三】らと合流し、この軍艦で松前藩を陥落させるなどの活躍を見せるが、江差沖で座礁・沈没したため、【箱館戦争】での新政府軍と旧幕府軍の形勢が逆転することとなったらしい
【いにしえ街道】
昔ながらの町並みを再現していて、にしん全盛期当時の豪商の家などがある観光スポット
【姥神大神宮】
北海道最古の神社で、社殿は鎌倉時代の創設と伝わる
札幌市の【北海道神宮例祭】と根室市の【金比羅例大祭】と並び【江差姥神大神宮渡御祭】は【北海道三大祭】と称される
にしん漁で栄えた当時の栄華を物語るような雄大な山車が町を練り歩きます
根室市の金比羅例大祭と同じく【江差姥神大神宮渡御祭】は毎年8月9~11日の開催
『アワビってこんなに安かったっけ?』ってくらい安かったです
ワンパクが住むオホーツク海では味わえないのが【アワビ】
Lサイズで430円くらいでLLサイズでも640円(税込)
10個買って、切らずに丸かじりでいただきました
でも、ちゃんと切った方が美味しい
【国民宿舎 あわび山荘】
よく考えると、意味不明のネーミングですが、ここは素晴らしい温泉ですよ(日帰り入浴可)
この施設の隣にキャンプ場があります
必要最低限しか設備がないキャンプ場で、川釣りも昆虫採集もでき、さらに海でのタイドプール(潮だまり)で遊ぶこともできるので、ワンパクのお気に入りなのですが、昨日までヒグマ出没のため閉鎖されていたようです
妻と結婚する前に一緒に来たことのあるキャンプ場で、散々酒を飲んで釣りをしていたこともあり、妻の手が蚊に数百箇所刺されることとなり、気が狂いそうになりながら病院に行ってました
バカですねぇ
実はこのキャンプ場の先にまだ山奥に続く道があります
この先は路肩の弱いダートの山道が続き、その先に天然の温泉があります
【秘湯 熊の湯】
天然の岩風呂ですが…あれ?
行けねぇじゃん!!
先日の台風の影響かな??
クワガタ運に続き、温泉運もねぇや
まぁでも、本当に『秘湯』って感じの温泉なので、温泉好きな人は是非行ってみてください!
ちなみに夏は、温泉に到着するまでに数百というアブに囲まれる覚悟が必要です
なにせ秘湯ですから
ヒメオオクワガタ採集リベンジ
良さそうな林道を見つけましたよ~
【太櫓越林道】
でも今回はこちらをチョイス!!
【臼別川林道】
この林道の先には温泉があります
行ってみましょう
林道という割には、かなり整備された道路です
絶景が広がります
かなり山奥に入ってきましたよ~
うおっ!?
【臼別温泉】(無人・男女別)
こんな山奥に似つかわしくない立派な建物が!!
あまりに立派で、『秘湯』って感じはしませんが期待できそうです!
施設は無人です
内風呂(男湯)
露天風呂(男湯)
露天風呂からの眺め
画面手前が露天風呂(男湯)で、衝立の奥が女湯です
バチン☆!!
すごい音がしました!
何かと思い、ワンパクはチ〇チンをブラブラさせながら音のした方に行くと…
ミヤマクワガタ♂です!
しかもかなりデカイ!!
チ〇チンの話じゃないですよ?
これはデカイ!!おそらくワンパクのいままで採集してきたミヤマクワガタで一番デカイです
78.4㎜でした!!
ワンパクギネス更新!!
すげぇ!!
あれ?エゾ型ではなくフジ型です!
第一内歯が大きく発達しています!!
最後の最後でクワガタ運が来ましたよ!!
温泉も最高でした!!
結局今年の夏もヒメオオクワガタの採集には失敗しましたが、最後に思わぬプレゼントがありました
道南には素晴らしい自然や町や出逢いがたくさんあって、何度来てもやめられませんね
せたな町~今金町~長万部町~黒松内町~蘭越町~ニセコ町~真狩村~留寿都村~喜茂別町~札幌市~道東
全走行距離2,255㎞