エゾシカ【狩猟】
エゾシカ(アイヌ語:ユク)
日本には北海道に生息するエゾシカ(120㎏)、本州・九州のホンシュウジカ・キュウシュウジカ(80㎏)、対馬・屋久島・馬毛島のツシマジカ・ヤクシカ・マゲシカ(40㎏)、慶良間諸島のケラマジカ(30㎏)が生息していますが、全て同じ【ニホンジカ】です
同じ種類の動物でも寒い地域に生息するほど、動物の体が大きくなる傾向があり、これをベルクマンの法則といいます
女性の平均バストも都道府県別で北海道が1位とのこと
うひょ~!これもベルクマンの法則ですねぇ!!
失礼しました
この画像のオスのエゾシカは立派ですよねぇ
夏毛である白い斑点がありますが、もう冬毛に変わってきていますね
角も立派です
加齢によって角の枝分かれが多くなっていきます
この個体は4歳以上であることがわかります
寿命はだいたい6年ほどと言われています
これは2歳のオスのエゾシカ
この頃が1番美味いとされています
ワンパクはエゾシカが食べ物にしか見えない病気にかかっています
やべー!美味そ~!!
そのままヤマブドウソースぶっかけて喰ってやろうかぁ!!
食肉としてのエゾシカ
日本では山から捕ることが出来る2種類の動物を『ゐ』と『か』と呼んでいて、食肉の意味である『しし』という言葉と合わさり『ゐのしし』『かのしし』となったそうです
ニホンジカはイノシシとともに恵みの象徴だったんですねぇ
アイヌ文化においても、エゾシカは鮭と並び主食といっていいほど山の恵みの象徴でした
『ユク』と呼ばれ、エゾシカそのものをカムイ(神)としませんが、ユクコロカムイ(エゾシカの神様)がエゾシカ(山の幸)を大地に放つと考えられていました
いま、北海道では爆発的にエゾシカが増加していて、深刻な農林業被害を出しています
それは人間社会と自然界の境界線に存在する猟圧が低下したためです
オオカミを放ち、エゾシカの個体数を調整すべきとする専門家もいるそうです
その一方で山の恵みとして、エゾシカを見直そうという取り組みもあり、ジビエブームに貢献しています
根室地方は、その駆除事業に多額の税金が投入されるも、成功していませんでしたが、根室地方はエゾシカが特に美味い地域として有名であるため、最近、根室振興局ではこの地域の鹿肉をブランド化しました
鹿肉はよく『臭い』と言われることがありますが、捕獲後の冷却によってその大半を抑えることができます
『血抜き』はあくまで肉の臭みを抑える補助的な対策で、最重要なのは『冷却』であり『温度を抑えること』です
この辺のメカニズムはまた別の機会に…
ジビエ(野生肉)は畜産肉と比べて力強い味わいがありますが、悪く言えば『雑味があり、臭いが強くて肉質が硬い』と言えます
普段から食べている畜産肉は、味わいを整え、臭みを抑え、肉質が柔らかくなるように長い年月をかけて品種改良をされてきたのだから『美味しさ』で比較すれば圧倒的に畜産肉が美味しいのは当然
しかし、個体差によって臭みが強い場合があるジビエを下処理、香辛料の使用方法、ソースの工夫、火加減などで『臭み』を『野性味』に昇華させる創意工夫することが一つの楽しみなのではないでしょうか
ヤマブドウソースもいいけど、ギョウジャニンニクと一緒に調理した鹿肉も絶品ですよ~☆
10月1日狩猟解禁
※一部地域を除きます
北海道では10月1日~1月31日までが狩猟期間となります
エゾシカをはじめとする狩猟鳥獣哺乳類20種類・鳥類28種類
日本国内に棲息している哺乳類は100種類を超えるので、狩猟できる種類はほんの一部にすぎません
『狩猟』という言葉を聞いて思い浮かべるイメージは『動物を銃で撃ち殺す』という人が多いかもしれませんが『動物を殺す行為』は『狩猟』を構成する一つの要素にすぎません
『狩猟』には、天候を読み、山中に寝床を設け、火を起こし、水を得、獲物を解体し、刃物を研ぎ、道も何もない山野を歩き、獣の足跡を追う行為は、サバイバルやブッシュクラフトの技術のようなアウトドアの総合的な技術が詰まっています
ではなぜ、畜産肉よりも『美味しさ』が劣るジビエを得るために狩猟をするのでしょうか
もちろん狩猟の動機はそれぞれ違いはあると思いますが、食べるために狩猟をしている人は『感動』を得るためなのではないでしょうか
スーパーで食肉を買っても『感動』はないですが、狩猟は肉を得る過程で『難しさ』『悩み』があり、獲物の命を奪う『罪悪感』と『高揚感』があります
この『感動』が最高のスパイスとなって、ジビエに新たな価値と美味しさが生まれるのではないでしょうか
ワンパクが狩猟本能を満たしたいと思う根源はここなのかなと真面目に考えてみる秋の夜長でした