ファットウッド採取 後編【探索】
どうもワンパクですぅ
いままでのワンパクの記事は、自然界での命の営みやそれに伴う残酷さなどは極力、画像でお伝えしないようにしてきました
それは、時として目を背けたくなるようなものもあるからです
しかし、ワンパクというサバイバル愛好家がどんなスキルで、どんなフィールドワークをし、実際にどんなものを見ているのか今回ほんの少ぉ~しだけご紹介できたらなぁという思いから、少々野性的な画像をアップすることにしました
この記事には、エゾシカの死骸の画像があります
苦手な方はすっとばしてくださいm(_ _)m
それじゃあ、早速いってみよー☆
ファットウッド採取 前編【探索】 - East End Wilder
見つけたファットウッドはアカマツのものと比べて決して良質なものとはいえないかもしれませんが、充分にファットウッドとしての役割を果たしてくれそうです
個人的には思ってたよりも良い物が手に入ったのでとても満足です
しかし、あまりにも簡単にファットウッドが見つかってしまったので、物足りません
もう少し遊んでから帰りましょう
トラッキング
すっかり雪も溶けて、春ですねぇ
沢のせせらぎが心地良いです
今年の冬は暖かかったので、もう山菜が採れるかと思ったのですが、まだちょっと先のようですね
時間が経っていますが、ヒグマの足跡DEATH!!
一瞬緊張が走りましたが、近くにヒグマの気配やニオイはしません
足跡の淵の部分に丸みがあり、その上に枯れ葉が落ちています
三日前に少し風が強い日があったので、ヒグマがここを通ってから枯れ葉が落ちたと考えられます
つまり少なくとも三日以上は経過しています
近くを見回すと…
ありました!
残雪ではありません
全てエゾシカの毛です
しかし、ヒグマはここで食事をしていないようです
食べ物を安全な場所に移してから食べたようですね
トラッキング(見切り)して、少し後を追ってみることにします
動物の痕跡を追う【狩猟】 - East End Wilder
もうすでにワンパクはワクワクが止まりません(笑)
エヘヘヘ…
獲物を運ぶため、ヒグマは近くの獣道を利用したことでしょう
俵型のフン
エゾシカの獣道ですね
【バイケイソウ】が至る所に生えています
根茎にジェルビン、ベラトリン、プロトベラトミンなどのアルカロイドを含む毒草です
芽生えの姿が、山菜の【オオバギボウシ】や【ギョウジャニンニク】と似ているため(全然似てないけどね)、毎年、誤食での中毒事例があります
催吐作用や強い毒性、血管拡張作用があるため血圧低下を引き起こし、重症例では意識喪失し死亡するケースもあるらしいです
北海道では【ミズバショウ】とともに『ヘビの枕』とも呼ばれます
本州では『ヘビの枕』は【テンナンショウ】を指したりもするらしいですね
このバイケイソウがもう少し大きく育った頃が、ギョウジャニンニクの採れる時期になります
獣道を歩き、二つの谷を越えました~☆
足の痛みがこれ以上ひどくならないように、ゆっくり進みました
さて、ここで問題です!
この画像にフィールドが何かを示すサインがあります
それは一体なんでしょう?
正解は…
木に留まる二羽の【ハシブトガラス】
『で、それが何?』という感じですよね?
実は、カラスは本来、森の中では半径1㎞以上の縄張りを持つ優秀なハンターです
人間の居住地や都市部では、カラスは群れでゴミを漁るイメージがあるかもしれませんが、それは本来の姿ではありません
本来、その広い縄張りを持つカラスが二羽並んでいるということは…
そうです!
そこにヒグマが運んだエゾシカの死骸(大量のエサ)がある可能性が高いことを示しています
自然が教えてくれる小さなサインを見逃さないようにスキルと五感を磨いておけば、事前に危険を回避することもできるし、それを利用して楽しむことも可能です
よ~し、行ってみよー☆
沢の水源では【ミズバショウ】が生えていました
まだまだ小さい蕾ですが、1メートル以上の大きさに成長します
野生動物の死
先ほどのカラスがいた場所から谷底を遠巻きに覗います
ヒグマがいる可能性があるので、慎重に行動します
こういうとき、逆にヒグマに気配なく後ろをつけられている場合もあるので、五感を研ぎ澄ませましょう
やはりありました☆
まだかなり新しいエゾシカの死骸です
沢は毛でいっぱいです
1~2歳のメスのエゾシカですね
足を激しく骨折した痕があるので、それが原因で衰弱死したのだと思います
必ずその命にはドラマがあって、それが何故今ここにあるのかを、環境、季節、死骸の状態から考察することも、狩りの一つだとワンパクは思っています
生き物としての存在が、この死を含んでここにあります
生き物は、生き物を食べることで生きている
このことを繰り返すのが生命の定義
ゆえに生命は『個』という単体では存在しえない
こういう野生動物の死を見ると、そのことを強く感じさせられます
え~と…
マジメになりすぎました(笑)
エゾシカの強靱な脊柱がへし折られていることや、肋骨部分が見当たらないことから、内臓部分から胴体部分のほとんどはヒグマが食べ去ったのでしょう
その他の部分はキツネやカラスが突いたと思われます
ちなみに、ワンパクがこれから何日かこの森に籠もるなら、この死骸の全てをシェルターに持っていきます
これくらいの状態の死骸なら、肉はなくても、骨髄を取って食べることもできるんです
ナイフなどがなくても、ホラ!
このように骨を割って石で研げば、刃物や釣り針を作ることもできます
サバイバルにとって、『骨』は最高のアイテムの一つなんですよ~☆
ただ注意してほしいのは、ヒグマが『食べ終わったもの』をシェルターに持っていっても大丈夫ですが、『まだ食事の途中』であろう死骸を絶対に持ち帰らないでください
ヒグマは執着の強い生き物なので、匂いを追って必ず取り返しにやってきます!
霧が濃くなってきたので、そろそろ帰りましょうかねぇ
また寄り道がメインになってしまいました
ファットウッドの処理
みなさんはすっかりファットウッドのことなんて忘れていたことでしょう(笑)
持ち帰ったファットウッドの皮を庭で剥ぎます
こんな感じでオッケーです☆
とても濃い琥珀色をしていますね
焚き付けへの使い方はまずファットウッドをかつおぶし的に削ります
あとはライターやファイヤースターターで火を点ければ簡単に燃えていきますよ
もちろん弓ギリ式や火溝式の火熾しでもオッケー!
ちなみによく燃えるファットウッドですが、使い方は焚き付けだけにしましょう
松脂が燃えるとススがたくさん出るので、薪として焚き火にくべると、このススが鍋ややかんについて黒焦げになっていしまいますよ~
たまに、虫除けとして燃やしたりはしますけどね…
あ、あと救難信号として狼煙(のろし)を上げる場合もファットウッドは有効ですので、覚えておいて損はないかと思いますよ☆