キタキツネ【狩猟】
晩秋の候、貴殿におかれましては御健勝のことと存じお慶び申し上げます
また、当ブログの運営にあたり、日頃より皆様のご理解とご協力を賜りまして深く御礼申し上げます
ポチッとしてしてくださる方、コメントしてくださる方、スターを付けてくださる方、記事を読んでくださる方、改めましてこの場を借りて御礼申し上げます
普段まったく順位を気にせずにいましたが、たまたま見たときに当ブログが結構いいところにいましたので大変ビックリしております
これも皆々様のおかげでございます
どうも、マジメでお堅い感じで前フリをしてみたサバイバル愛好家のワンパクですぅ
でも下半身出しながら記事書いちゃってるからね!
最近家ではパンツ履くのもめんどくさいのよ
妻に『そのままソファに座るな』と怒られますが、そんなウンコカスの一つや二つ小せぇ事気にすんなって感じです
てなことで、今回はウンコにまつわる小さな生き物のお話もしていきましょう(あ、うまくまとまった)
それじゃあ、早速いってみよー☆
キタキツネ(アイヌ語:チロンヌプ、シュマリ)
【キタキツネ】ネコ目イヌ科キツネ属アカギツネの亜種
日本では北海道に生息するキツネで、本州などに生息する【ホンドギツネ】よりも若干大きく、足首までの毛が黒いのが特徴
オスも子育てをするという生態が特徴的で、エサはネズミ、鳥、昆虫、木の実などなんでもイケちゃう雑食性
夏場は車のヘッドライトに集まって衝突した蛾などの昆虫を食べたり、ロードキルされたエゾシカの肉を突いたりするため道路に現れることが多く、キタキツネ自らもロードキルの犠牲になるケースが多い
奈良時代に中国からネコが輸入されるまで、キツネは田畑や食料庫をネズミなどから守る益獣として重宝され、金色の長い尻尾は、豊かに実った稲穂に見えることから『五穀豊穣の神』として『稲荷神(いなりのかみ)』と呼ばれ神格化されてきました
アイヌ文化からのキツネは、『チロンヌプ』と呼ばれ『チ』(我々が)『ロンヌ』(たくさん殺す)『プ』(もの)と解され、肉を食用、毛皮は交易に使ったり、衣服の材料にしていたと思われます
キツネは秋から冬にかけて捕獲し、捕獲したキツネの頭骨は【キケ(削り掛け)】で飾り付けて保管しておいて、春にまとめて【ヌサ(祭壇)】に頭骨を納めたそうです
ハンター歩き
動物の痕跡を追う【狩猟】 - East End Wilder
キツネは【ハンター歩き】と呼ばれる独特の歩行方法で、静かに獲物に近づき捕獲します
雪上のトラッキングが分かり易いのですが、足跡が一直線になり、前脚を置いたところに後ろ脚を運ぶため足跡の数が少なくなります
実はワンパクが飼っている元野犬は、いまでもこのハンター歩きをします
一時的に人間から離れている野良犬や飼い犬ではこのような歩き方をしないので、イヌには元々DNAにハンター歩きが組み込まれていて、野生化すると発現するのかもしれません
ちなみに、ワンパク家には野犬が三頭いますが、イヌが進化の過程で失った【狼爪(ろうそう)】を全員持っています
これも野生化したことが原因でしょうか
【山の不思議話】野犬との出逢い - East End Wilder
エキノコックス
前述で『肉を食用…』と書いていたので、ビックリした人も多いかもしれません
『キツネ食べるの?!』って感じですかね?
ホンドギツネと違いキタキツネの肉はかなり旨いんですが…そうです!
キタキツネは狩猟鳥獣ではありますが、北海道人は幼少の頃から『キタキツネ=エキノコックス』という刷り込み教育がされているので、キタキツネはむしろ忌避される存在として認識してしまうので、どんな旨い肉だとしても食べる気がしませんよねぇ
さらに、キツネの姿はやはりイヌに似ていて、愛犬家にとってキツネを殺すという行為は避けたい気持ちがあるのも事実で、一般的な狩猟の対象としてもやはり人気があるわけではありません
ライフルではなく散弾銃による狩猟となるので、感染リスクを考えると散弾が内臓などに当たらないような精密な射撃スキルが必要となりますし、糞尿が肉や毛皮に付かないように解体する技術も当然に必要となってきます
『ところでエキノコックスってよく聞くけど一体なに?』という方もいると思いますが、寄生虫です
しかもめっちゃ恐ろしいやつ
でもワンパクは寄生虫も大好き!!
寄生虫は独自の進化を遂げていて、【生活環】(寄生虫の一生)の多様性は非常に面白いんですよ~☆
10mにもなる寄生虫もいれば、寄生虫に寄生する『ハイパー・パラサイト(超寄生虫)』という生物もいる面白い世界
今後、機会があれば当ブログの記事にしていこうと思ってます
【エキノコックス】(多包条虫)
分類:条虫類
体長:成虫1~5mm
中間宿主:ネズミ
終宿主:キツネ等のイヌ科
分布:だいたい北半球
通常エキノコックスは自然界では中間宿主のネズミと終宿主のキツネの間で生活環が回っていますが、キツネの糞便に含まれる虫卵が、本来の宿主ではない人間の口に入ることで感染します
山菜や野イチゴやクレソンなどを加熱せずその場で食べたり、キツネの糞に汚染された土を触って手を洗わなかったり…
虫卵は人間の体内で幼虫になり、主に肝臓に寄生して蜂の巣状の囊胞を作ってその中で増殖します
本来の宿主ではない人間の体内では成虫になれず、幼虫のまま増殖していきます
感染しても大人で10年は無症状ですが、幼虫の数が増えて囊胞が大きくなるにつれ、肝臓内の血管や胆管が塞がれて深刻な肝機能障害が進み、末期には重度の肝機能不全となり、囊胞が破れ、幼虫が血流に乗って肺、脳、骨髄などに転移
自覚症状が出たときには体内で幼虫がすでに増殖していて、感染初期に治療しないと感染者の90%以上が死に至ります
しかも効果のある虫下しなどはありません
処置としては外科手術のみなので、自覚症状がないうちからの検査や感染予防が最大の対策となります
ちなみにエキノコックスの幼虫や成虫を口にしても感染はしません
北海道ではキタキツネのエキノコックス感染率は60%以上で、元々アラスカや千島列島に多く分布していたものが、20世紀初頭に毛皮目的で千島列島から運ばれてきたキツネが感染源となり流行したとされています
あ、家畜とイヌの間での生活環がある単包条虫と本種は別種になりますよ~
寄生虫とアウトドア
寄生虫は生涯または一時期、他種動物(宿主)の体表や体内にとりついて宿主から食物や栄養をせしめるため、宿主なしでは生きていけないというかわいいやつ
宿主に致命的な害を与えるようなことは、自らの命を危うくするので、普通、寄生虫は宿主を殺しませんが、その生活環の部外者が寄生虫に感染することで思いも寄らないような害を与えてくることがあります
たとえば、稀代の美食家【北大路魯山人(きたおおじろさんじん)】はコイやフナなどの淡水魚の刺身を好んで食べたらしいけど、それが原因で【肝吸虫】という寄生虫に感染し肝硬変で死んだとされています(生煮えのタニシを食べて感染した説は誤り※第一中間宿主のマメタニシに寄生している肝吸虫はヒトに寄生する能力がまだない)
つまりアウトドアにおいて採取した食糧を、生で食べることは禁忌
本当に寄生虫に命を奪われる可能性があるんですよ
水を含め野外から採取した食糧は、基本的には火を通すなどの加熱処理が必要となります
また家庭においても、ワンパクの住んでいる土地柄、サンマの刺身を食べる機会が多くあるのですが、いくら新鮮だからといってもそのまま食べずに、一度冷凍してから解凍し刺身にするという対処をしていますよ
命までは取られませんがアレルギー症状を引き起こす【アニサキス】は怖いですからね!
70年前には、ほとんどの日本人のお腹の中に寄生虫がいた(共生)そうです
現代の日本人のお腹にはほとんど寄生虫がおらず、寄生虫自体が普段とかけ離れた存在になっているため、余計に恐ろしく感じるかもしれませんが、寄生虫を正しく理解すれば、アウトドアにおいても必要以上に恐がることもないので、上手に付き合っていきたいものです